星乃あんりさんスペシャルインタビュー

今回、Audreyスペシャルインタビューにご登場頂くのは「星乃あんり」さん。

宝塚歌劇団「雪組」の娘役として活躍したあんりさん。

宝塚歌劇卒業後の活動、そして社交ダンスとの関わりについて、お伺い致します。


星乃あんり

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小鳥翔太(以下 小鳥):お忙しいところありがとうございます。

宝塚歌劇団に所属されていたあんりさん。歌劇団時代のお話しから、卒業後に社交ダンスと関わるようになった経緯、そして現在から将来の展望に至るまで、様々なお話をお伺いできればと思っています。

本日は、どうぞよろしくお願い致します。


星乃あんり(以下 あんり):こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。



◆ 宝塚時代と「Shall we ダンス?」


小鳥:まずは自己紹介から、お願い致します。


あんり:はい。私、星乃あんりと申します。

2009年に宝塚歌劇団に入団して、そこから9年半、娘役として在籍しておりました。

卒業したのは3年ほど前でして、そこからはフリーランスの女優として活動しております。

また、それ以外にもアクセサリーを作成したり、オンラインサロンで「バレトン」というフィットネスを皆さまと一緒に行ったり…何をやっているかと言うとなかなか一言では言い表せないのですが、女優からクリエイターまで幅広く活動しております。


小鳥:とても多彩で素晴らしいですね。そんなマルチな才能をお持ちのあんりさんですが、宝塚時代に社交ダンスをテーマとした「Shall we ダンス?」という公演にご出演されていらっしゃいました。

あんり:はい、そうなんです。「Shall we ダンス?」、出演させて頂いていました。宝塚では色んなジャンルのダンスをするのですが、実はその「Shall we ダンス?」が初めての社交ダンスをテーマとした舞台だったのです。


小鳥:え、そうなんですか!勝手なイメージで申し訳ないのですが、なんとなく宝塚の公演は舞踏会のシーンなどが多そうなので、社交ダンスをテーマにした公演は既に開催されていると思っていました。

あんり:そうですね…確かに男役さんと娘役が組んで踊る「宝塚のペアダンス」はあったのですが、正式な「社交ダンス」というテーマに特化した舞台というものはこれまでなかったのです。もちろん私も社交ダンスを知ってはいたのですが、いざ蓋を開けてみるとかなり難しくて…正直、組全体でかなり苦戦しましたね。


小鳥:実は、自分も日比谷にある宝塚の劇場で「Shall we ダンス?」の公演を拝見しました。社交ダンスがテーマとのことで、とても楽しみにして伺ったのを覚えています。


あんり:いかがでしたか…?


小鳥:いや、本当に、思っていた以上に…と言っては失礼なのですが、皆さましっかり「社交ダンス」を踊っていらっしゃることに驚きました。本当に真剣に取り組んで頂いたのだと感じて、社交ダンス関係者としてもすごく嬉しかったです。


あんり:本当ですか!そう仰って頂けると、私たちとしても嬉しいです。


小鳥:先ほどもお話しされていましたが、社交ダンス…特にスタンダードは他のペアダンスと違ってずっと近くで組んでいるという点が難しいのだと思います。しかし、そのような点も見事にこなして踊られているという印象でした。

あんり:みんなで頑張った甲斐があります。ありがとうございます。

◆ 新人公演のヒロインとして


小鳥:ちなみに、あんりさんはどのような役をされていたのでしょうか?


あ:私は、本公演では当時主演を努めていた「壮一帆」さんの娘さんの役(映画版では役所広司さんの娘さんの役)でしたので、実は一切踊っていなかったのです。


小鳥:本公演では、というと…?


あんり:その他に新人公演という公演があるのですが、この新人公演というのは、本公演の中で一日だけ在団7年目までのメンバーで本公演を丸々開催するという一大イベントなのです。光栄なことに、その新人公演では草刈民代さんの役を頂くことができました。


小鳥:おぉ、すごいですね!おめでとうございます!


あんり:ありがとうございます。ですので、その新人公演のために、私は本公演中ずっと社交ダンスの練習をしておりました。


小鳥:そうか、本公演では踊らないけど、新人公演のために練習をする必要があったのですね。


あんり:そうなんです。しかも、このお話で唯一の一流プロダンサーじゃないですか。誰よりも技術が必要なので…。本公演で踊れない分、追いついて、追い越さないとという気持ちが強くありました。


小鳥:なんと言ってもこの作品にとって大切な役ですからね…その努力は大変だったと思います。草刈民代さんもそうですが、元々社交ダンスの経験がないにも関わらず誰よりも上手に見せるというのは並々ならぬ努力があったのだと思います。


星乃あんり


小鳥:ちなみに、お稽古はどの程度の期間で行っていらっしゃったのでしょうか?

あんり:お稽古は1ヶ月くらいですかね。そのシャルウィダンスの公演のお稽古自体が1ヶ月半くらいあるのですが、それと同時に行われるショーの稽古も並行して行っているので、実質1ヶ月ずつくらいですね。今日はお芝居の日、今日はショーの日と振り分けてあるんです。

小鳥:なかなかギュッとしたスケジュールなのですね…!社交ダンスの部分については、やはりレッスンを習いに行ったりされていたのでしょうか?

あんり:はい、ダンスのお教室に行きました!通常は、劇団から振り付けを与えられたら、それを自分たちで深めていくしか無いのです。普段のお稽古だったら、自分たちでああしたら良いんじゃないかこうしたら良いんじゃないかなど模索ができるのですが、社交ダンスに関しては何が正解か本当に分らなくて。それに、自分流になってしまうと、「Shall we ダンス?」の世界観の中から浮いてしまいかねないので。そこはもう本格的にちゃんとした社交ダンスの先生たちに習いに行くしか自分たちも方法がなくって…。

小鳥:そうなのですね。


あんり:なので、お芝居の中でペアが決まるのですが、そのペア同士で話し合いをして、全員が習いに行ってましたね。あの時は組全体で大変でした笑。でもそのおかげで、みんな社交ダンスに関する知識をギュッと取り入れることができて。私も新人公演の相手役の子と、競技会…確かブラックプールのシーンがあったので、そこの振り付けを持ってお稽古に行ってましたね。休演日とか、1回公演の時なんかも行ってましたね。結構夜遅くまでやってるじゃないですか、社交ダンスのお教室って。1回公演が4時位に終わって、5時6時には楽屋を出られるので、そこから通って。

小鳥:すごいですね…!お疲れさまでした。


あんり:いえいえ。でもそのおかげでなんか、ここ違うんじゃないかみたいな感じが自分たちでも分かるようになってきたので、それは良かったかなと。

小鳥:あれ、そういえばその頃、社交ダンスの競技会を宝塚の方々が団体で観覧に来られたことがあったと記憶しているのですが…。


あんり:あ!それ行きました!宝塚の方の、五月山…だったかな…?そこで大会が行われるということで。やっぱりその、お稽古してるし、生で見られるのであれば、そこでそれぞれの役作りだったり、作品の方向性の意識がまとまるという点は大きいと思います。それで、みんなで行こう!となって観戦させて頂いたのですが、衝撃を受けてとても感動しました。やっぱり資料として映像では拝見していたのですが、実際生で見ると会場の熱気とか、選手の皆さまのエネルギーとか、パフォーマンス力・アピール力がぜんぜん違うなと思って。

小鳥:そうですね。やはり生のダンスを見て、その雰囲気や熱量を感じてもらえるのは社交ダンス関係者としてとても嬉しいです。その節は皆さまでお越し頂きありがとうございます。


あんり:いえいえ。こちらこそ良いものを見せて頂き、ありがとうございました。

社交ダンスの世界へ


星乃あんり×鳳翔大
◆「I'm Here!」で鳳翔大さんとのタンゴを披露するあんりさん。

小鳥:そのように宝塚時代から少しづつ社交ダンスに触れてきたあんりさんですが、宝塚を退団されてしばらくの後に、社交ダンスの舞台「I’m Here!」にご出演されます。

そちらの方は、どのような経緯で出演されることになったのでしょうか。


あんり:私は、同舞台で主演をされていた鳳翔大さんからお声がけを頂いて、参加させて頂くことになりました。鳳翔さんとも宝塚の雪組時代に一緒に舞台に立っていまして、卒業のタイミングも一緒だったんです。そして卒業してもとても仲良くして頂いていて。今回鳳翔さんがお話を頂いた時に、社交ダンスの経験者がいたほうが良いということで、一緒に「Shall we ダンス?」に出演していた私にお声がけ頂いた形になります。その後も社交ダンスは好きだったのですが、なかなかちゃんと始めるきっかけが難しくて。やりたいなと思いつつ、通うまでに至っていなかったので、これはチャンスだと思いました。


小鳥:そうですよね。社交ダンスは習ったり観戦・観覧に行くまでのハードルが高いですよね。


あんり:なかなか難しい…まず、機会がないですね。「今はこれをやってるから明日見に行こう」みたいにならなくって。しかも、どこで何をやっているのかも分からないので…。


小鳥:そうですね、ダンス界としても一般の方に向けたアピールがもっとできるよう検討をしていけたらと思います。


あんり:一般の方が気軽に見られるきっかけがあると良いですね。


小鳥:すみません、話を戻して。その後、ご出演されることになった「Im Here!」ですが、実際に踊っていたのが、鳳翔大さん、そしてダンサーの渡辺崇先生でした。この舞台の中でプロの社交ダンサーと踊るということについては、いかがでしたでしょうか。


あんり:いや、もう私なんにもしてないのに、身体が勝手に操られているような感覚がありましたね。あと、なんかその…男性の方とちゃんと踊ることが、実は初めてで。


小鳥:あ、そうなんですね!


あんり:はい、昔バレエをやっていた時に一度だけ男性の方と少し踊ったことがあったのですが、宝塚に入ってからは一切なかったんです。でも、バレエを踊っていたときとはぜんぜん違う感覚だっていうのが衝撃で。社交ダンスの特徴というか、すごく素敵だなって思うのが、身体のリードで次行く場所が分かったりするじゃないですか。それがダイレクトに伝わってくるのがすごいというか、何も考えてないわけじゃないんですけど、何も考えなくても身体が動いていく感じが良いなと思いますね。


小鳥:そうですね。社交ダンスの醍醐味として、リード&フォローが挙げられますね。そういった点を実際に体験して頂けると、より一層社交ダンスの楽しさが分かってもらえると思います。


あんり:はい、本当にそう思います。


星乃あんり

小鳥:さて、「I’m Here!」と共にお話をさせて頂きたいのが、「Over The Rainbow」という社交ダンスと演劇の舞台があるのですが、あんりさんはこちらでも主演を務めていらっしゃいました。


あんり:そうですね。「I’m Here!」の次の年なのですが、「Over The Rainbow」は名古屋で公演をさせて頂きました。


小鳥:社交ダンスをテーマとした舞台に、これだけ多く出演されている女優さんはおそらくあんりさんだけだと思います。「社交ダンスの舞台」に臨むときには、どのようなお気持ちで取り組んでいらっしゃるのでしょうか。


あんり:そうですね…気持ち的に一番思っているのは、「皆さまの足を引っ張ってはいけない」ということでしょうか。前述の2作品とも、メインの役どころとして立たせて頂くというのはやはり責任も感じるところです。やっぱり社交ダンスという点ではド素人なので…。それに、お稽古に行って出演される先生方の踊りを見ると、もうこれだけで作品が完成しているんじゃないかって思うくらい素晴らしいんです。本当に。そこにやっぱりメインだからこそ、皆さまの踊りを壊すような立ち方をしては失礼ですし、かといって今からプロみたいな踊りをできるかって言うとそうじゃない。なので、私は私なりの立ち位置と役どころをこなしつつ、でもダンスに関しては皆さまの足を引っ張らないように、できる限り自分自身も上達してくんだという気持ちはありましたね。


小鳥:素晴らしい心がけですね…!そのお気持ちが結実し、両作品とも大成功で高評価を得ることになったのだと思います。

「サクラガーデンの約束」



小鳥:そしてこの度、私共が企画する「サクラガーデンの約束」というダンスショーに主演して頂くことになりました。ご出演頂き、本当にありがとうございます。


あんり:こちらこそ、ありがとうございます。


小鳥:こちらも前述の2作品と同じような「社交ダンス×演劇」のショーになります。内容としては、「ダンスホール・サクラガーデン」を舞台として、あんりさん演じる「さくら」と、お相手役の前田拳太郎くん演じる「端午」が1つの物語を紡いでいくお話となっています。先ほどもお話に出ましたが、「I’m Here!」・「Over The Rainbow」に続いて、なんとこれで社交ダンスの舞台の主演が3作品目ですね。

あんり:いやぁ…ありがたいです。


小鳥:主人公「さくら」は本公演中の8割くらいのシーンに出演していて、あんりさんは演技にダンスに大活躍ですね。このインタビュー時点で初稽古から約1ヶ月、そして残り約1ヶ月と少し。あんりさんのダンスシーンも、半分以上の振り付けが終わっております。これまでの経験を活かした素晴らしいダンスが見られるのではないかと、今からとても楽しみにしております!


あんり:あらら、なんだか急にハードル上げてきましたね笑

そう思って頂けるように頑張ります!


星乃あんり×前田拳太郎

小鳥:そして、今回あんりさんのお相手を務められる新人俳優の前田拳太郎くん。拳太郎くん演じる「端午」は「さくら」の後輩的な役どころになりまして、「さくら」が先輩としてしっかり引っ張っていく感じになるのではないかと思うのですが…


あんり:いえ、実はそれが違うんです。これも宝塚と通じるところがあるんですけれども、男性がより格好良くステキに見えるためには、女性が引っ張ってしまってはダメなんです。特に今回踊らせて頂くワルツに関しては、女性がリードしている箇所もその物語とか振りの中にあっても良いと思うのですが、基本的には男性優位に動いていった方が、結果としてお互いがステキに見えるのです。

小鳥:そういう所にも宝塚時代に培った経験が活きているのですね。


あんり:はい、いかに男役さんをステキに見せるか、そしてその男役さんの周りでいかに娘役が軽やかに踊ることができるかという…。自分がお客さんとして公演を見に行ったときにも、そういう踊り方をされている娘役さんはステキだなと思っていたので、自分もそういう風にできればと思っております。なので、お稽古のときには結構色々と探ったりしています。相手役の方が、自分がこの時にどこにいたら気持ち良く演じられるのか…ということですね。


星乃あんり×前田拳太郎
◆前田拳太郎くんとの稽古風景

あんり:でも、今回相手役の拳太郎くんをはじめ、1曲一緒に踊らせて頂く金光先生やほとんどの振り付けを担当してくださった瀬古先生も、すごいリードをして下さるので…。踊りに関しては私はもはや何もしていないくらいです笑。本当に皆さまの振り付けが素晴らしくて、考えて踊ると言うよりは音楽に合わせて心と身体が動いてしまうというような感じです。


小鳥:そうですね。「その役どころに合っている」という意味でも秀逸な振り付けになっていて、自分も流石だなと唸っています。


あんり:そうなんです。絶妙に2人の関係性を保ったまま、全てがお洒落なステップなんです。もう、お洒落がキラキラ散りばめられているような感じですね。どのステップも本当に楽しくて、踊りたくなる気持ちになってしまうんです。


小鳥:本番当日にどのような踊りが見られるのか、ますます楽しみになってきました。


あんり:はい、私も楽しみです!


小鳥:これからあと1ヶ月、これから稽古も佳境に入ってくると思いますが、お身体に気をつけて頑張って下さい。本日はありがとうございました!


あんり:こちらこそ、ありがとうございました!


<編集後記>


いつも明るく、笑顔でみんなに接して下さるあんりさん。この日も稽古前の朝早い時間から、ハツラツとした口調で質問にお応え頂きました。


インタビュー内にもあった通り、役者としても精力的に活動されていて、これからも舞台の予定が入ってきているそうです。あんりさんの最新情報についてお知りになりたい方は、ぜひ「星乃あんり LINE公式アカウント」にご登録ください。


そしてあんりさんが開催するオンラインサロン「Anri's Beauty Camp」(通称「あんきゃん」)は、「心と体を整えて美しく豊かに生きていく」をモットーに活動されています。「バレトン」という「バレエ」と「ヨガ」と「フィットネス」を組み合わせたエクササイズを週一回のペースで開催していて、お家からリモートで参加可能です。大学生からご年配の方まで様々な方が参加されているこのサロン、ぜひ一度ご覧ください。


「サクラガーデンの約束」はもちろん、今後の活動も楽しみな星乃あんりさん。これからも社交ダンス界に関わってくださるとのことなので、嬉しい限りですね。

皆さまも、ぜひ応援をお願い致します。



◆サクラガーデンの約束

https://www.audrey.co.jp/sakura-garden


◆星乃あんり公式ウェブサイト

https://anri-hoshino.com/


◆星乃あんり 公式Instagram

https://www.instagram.com/hiyo_anri_insta0908/?hl=ja


◆星乃あんり 公式Twitter

https://twitter.com/anri_hoshino


◆星乃あんり 公式note

https://note.com/anri_hoshino


◆Anri's Beauty Camp

https://community.camp-fire.jp/projects/view/290487