結果発表
<プロ部門>
グランプリ
「Battle of the Queens」
出演:上脇友季湖・清水舞
撮影:小野晃歳
※当サイトでは冒頭1分のみ公開
グランプリ
「ドライフラワー」
出演:大西香織
撮影:大西大輔
特別賞
「アメリカン・グラフィティ」
出演:大坂宜史・佐々木由季子
撮影:大竹辰郎・大西大輔
<アマチュア部門>
応募作品無し
<プロアマ部門>
グランプリ
「黒執事」
出演:津田奈菜絵・山口隆久
撮影:RDH studio 長谷川博一
準グランプリ
「Shape of you」
出演:Koji Ikeda・木村保子
撮影:阿部久雄
特別賞
「魅せられて」
出演:土屋純一・細野雅代
撮影:オルガエンターテインメント
特別賞
「Gong」
出演:木村あすか・木村功
撮影:阿部久雄
ダンス・アート・オンライン <プロ部門> 受賞作品
ダンス・アート・オンライン <プロ部門> 受賞作品
Battle of the Queens
ドライフラワー
アメリカン・グラフィティ
ダンス・アート・オンライン <プロアマ部門> 受賞作品
ダンス・アート・オンライン <プロアマ部門> 受賞作品
黒執事
Shape of you
魅せられて
Gong
選考委員講評
大高 健志
Takeshi Ohtaka
早稲田大学政治経済学部卒業後、'07年外資系コンサルティングファーム入社。戦略コンサルタントとして、事業戦略立案・新規事業立ち上げ等のプロジェクトに従事。
その後、東京藝術大学大学院に進学。制作に携わる中で、 クリエイティブと資金とのより良い関係性の構築の必要性を感じ、’11年にクラウドファンディングプラットフォーム『MOTION GALLERY』設立。以降、50億円を超えるファンディングをサポート。2015年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」受賞 。様々な領域でプレイヤーとしても活動中。
現代アート: 2020年開催「さいたま国際芸術祭2020」キュレーター就任。 映画: プロデューサー 『あの日々の話』(第31回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門選出)/『踊ってミタ』/『僕の好きな女の子』/『鈴木さん』(第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門選出) 製作協力 『スパイの妻』(第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)/『蒲田前奏曲』/『脳天パラダイス』
◆My Favorite
<プロ部門>
どの作品も大変素晴らしい映像になっていて見入ってしまいましたが、 その中でも「ドライフラワー」にはとても魅力を感じました。
社交ダンスという前提で見るなかで、ソロで踊っている映像ということでもなにか新しい表現への意識を感じつつ、映像としても構成としてもオフィシャルのミュージックビデオへのリファレンスも含まれていることで、音楽と社交ダンスがきれいに一体化した、新しい映像体験でした。
ソロで踊る事に意味がある楽曲のセレクションという意味でもすごく考えられて制作されたのだと思います。 また次の作品も是非拝見したいと感じました。
<プロアマ部門>
「パプリカ」に社交ダンスを更新する想いを感じました。
私自身の固定概念としてもどうしても成人男女のペアによる組み合わせを想起してしまいがちでしたが、 女性2人組であり、且つ、親子を想起させる形に面白みを感じました。
楽曲が「パプリカ」であるので、自然な組み合わせではあるとは思いますが、総評にも書かせていただきましたが、コロナ禍によって文化の継続性の危機感があるなかで、次世代につないでいこうというアクションにも見えるそんな素敵な映像に感じました。
◆総評
コロナ禍において文化・表現活動がかなり難しい環境に置かれています。私が運営しているクラウドファンディングプラットフォーム『MOTION GALLERY』でも「コロナ対策支援プログラム」を設置し、コロナの損害から表現活動や社会活動を守る支援を行っておりますが、本当に多くの方に支援いただいている事に感謝しつつ同時にコロナによって自粛を余儀なくされることで映画・演劇・音楽など本当に多くの文化表現の継続性に危険信号が灯っているこの2年間だと痛感しています。
そんな中で、社交ダンスの新しいステージをという思いとともに立ち上がった「Dance Art Online」。
「2人で組んで踊る」という社交ダンスの特性からも自粛は余儀ないものとされ、プロダンサーもダンス愛好家も、踊ることができない日々が生まれてしまったことで生まれてしまった困難さを克服し、新しい挑戦に向けて動き出そうという挑戦に、プロ・アマ問わず多くの方に参加頂いた事自体にとても僕自身も勇気を頂いた気がしています。 そして、「映像表現」としての社交ダンスという新しい切り口に、オーソドックスな形からアップデートを試し見る形まで本当に多様な表現が立ち上がりました。ここをスタートに、新しい表現の可能性を更に広がっていくことを期待しつつ、応援しております。ありがとうございます。
小田 駿一
Shunichi Oda
1990 年生まれ。
2012 年に渡英し独学で写真を学ぶ。2017 年独立。2019 年に symphonic 所属。人物を中心に、雑誌・広告と幅広く撮影。
アートワークとしては、2020年に緊急事態宣言下、東京の夜の街を撮影した「Night Order」シリーズを発表。
2021年には、「Gallery of Taboo」を主催し、新作の「OTONA性 - 百面相化する自己意識の果てに」を発表した。
社会との繋がりの中から着想を得て、人の心と行動を動かす「Socio-Photography」を志向する。
◆My Favorite
<プロ部門>
Battle of Queens : 動画としての構成・演出、衣装を含めた世界観の作り込みのクオリティーが最も高かったから。社交ダンスの動画を見ているというより、フィジカルパフォーマンスアートの動画を見ているようで、あっと言う間に見れてしまった。従来の社交ダンスのイメージをいい意味で脱却し、一つの世界観として再構築している点が素晴らしい。
<プロアマ部門>
Shape of you : プロアマ部門に出展された作品の中で、最も動画表現に作品が落とし込まれていたから。他の作品はダンスの記録動画的な色彩が強い中で、視聴者の興味・関心を惹起するような演出・構成上の工夫が最も顕著だった。
◆総評
プロアマ部門、プロ部門を通して作品を拝見していて、「社交ダンス動画」の固定観念に縛られている作品が多かったように思う。ホテルやダンススタジオ等踊り、全身が映るように引の絵で撮影する。基本的には「社交ダンスを見せる」ことが目的の動画のことだ。
それ自体が悪いことではないが、「なんのために動画を撮るのか?」と言う目的をしっかりと考えて動画を製作して欲しいと思った。
具体的には、レッスンビデオであれば上記の皆さんがイメージされる「社交ダンス」の動画でいいのだろう。しっかりと振り付けが見え、視聴者がダンスに集中することができる。一方で、より広く、社交ダンスに興味のない人にまで届く動画作品を目指すのであれば答えは違うはずだ。
音楽アーティストのMV然り、ミュージカルをモチーフにした映画然り、特徴的なダンスシーンを捉えながらも、全体を通底するストーリーと、演出によって、ダンスに興味にない人をも魅了してしまう何かがある。
だからこそ、あえて今回は動画作品として興味のない人も魅了する可能性のある作品に高い評点をつけ、評価させて頂いた。そのことが、社交ダンス界の発展の一助になることを願って。
高島 マキコ
Makiko Takashima
プロダンサーとして国内外で活動後、身体性と空間の関わりを探究するために渡英。
哲学・情報デザイン分野を学びRoyal College of Arts を首席で卒業。
音・光・空気といった自然現象と、生命の循環・テクノロジーの融合をテーマに探索し、パフォーマンス・インタラクティブアート・平面・ 映像などマルチメディアを製作する。
デザイナー、エンジニア、科学者・建築家、研究者など世界各地で様々な分野の人々と協働。
2019年より東京を拠点に活動。
◆My Favorite
<プロ部門>
どれもユニークで趣向を凝らしてあり興味深かったです。社交ダンスの個性を保ちつつも、既成概念を超えて新しいイメージを打ち出しているかという観点で審査しました。
最も印象に残ったのは、ドライフラワーでした。社交ダンスはペアダンス、屋内で踊るというような印象が一般的にはありますが、ソロでも踊れる、物を人に見立てる、その背景にあるストーリーがイメージでき、観客が想像力を持って楽しめるような、新しい挑戦をしてように感じました。他の作品も演出や光のバリエーション、シーンの切り替えで飽きさせない工夫も見受けられ、質の高いものでした。
<プロアマ部門>
本人の個性、全体的な構成演出の統一感、表現の目新しさなどに注目しました。プロアマは何より”ダンスが好き”という素直な感情が表現され、それがパートナーの先生との間柄の中でどう演出されているかが大切だと思っています。非日常の衣装を身につけ、舞台に立つときにパフォーマーとして自身の個性の魅力が発揮され、世界観を打ち出している作品に引きつけられます。
印象に残ったのは”魅せられて”と”黒執事”です。自分の好きな世界観を追求しつつ、それが衣装やステップ、動画としての演出で表されていました。
◆総評
社交ダンスの動画コンテンツというのはまだまだ少ない中、応募作品はどれも工夫し楽しんで作られている作品ばかりで、今後も益々発展する可能性を感じました。今回の作品を一つのきっかけとし、挑戦を続けシリーズとしての変化が見ていきたいです。
また、映像作品は踊るだけではなく、演出、構成などの総合的なプロデュース力も必要です。このような先進的な取組の中で、社交ダンスの持つ概念をどう自分達で解釈し新しい流れを作っていくか、個人としてダンス界としてどのような姿を追求してくか、そのような姿勢が素晴らしいと思います。
和田 なつみ
Natsumi Wada
ろう者の両親のもとで手話を第一言語として育ち,大学進学時にあらためて手で表現することの可能性に惹かれる。視覚身体言語の研究、様々な身体性の方々との協働から感覚がもつメディアの可能性について模索している。
近年は、LOUD AIRと共同で感覚を探るカードゲーム”Qua|ia”(2018)やたばたはやと+magnetとして触手話をもとにした繋がるコミュニケーションゲーム”LINKAGE”、”たっちまっち”(2019)など、ことばと感覚の翻訳方法を探るゲームやプロジェクトを展開。アーティスト南雲麻衣とプログラマー児玉英之とともにSignedとして視覚身体言語を研究・表現する実験、美術館でワークショップなどを行う。
東京大学大学院 先端表現情報学 博士課程在籍。同大学 総合文化研究科 研究員。2016年手話通訳士資格取得。
2017-2018年ICC インターコミュニケーションセンター emergencies!033 “tacit crelole / 結んでひらいて”。
◆My Favorite
<プロ部門>
どの作品も非常に素敵でしたが、個人的には「SHOW DANCE Never Enough」KO Social Dance Campanyさんの作品に惹かれました。
ダンサーのお二人のダイナミックな身体の動き、繊細な手の表現、回転しながらの移動とカメラワークの一致が、映像ながら身体的で魅了されました。
身体の線の動き、背中の筋肉、手の細やかさに惹かれた前半と、後半のドレスでの足捌きや動きの豊かさ、回転の際の迫力もとても綺麗でした。(カメラの映像が所々リアルで、追従している感覚になったのも魅力だと思いました)
また、「アメリカン・グラフィティ」のおふたりも好きです。とてもキュートでわくわくしながら、小さな所作やリズム、チャーミングな振りと動きに惹かれました。映像のトーンも衣装も可愛くて、背景にその世界がみえるようでした。とてもとても素敵だと思います。
<プロアマ部門>
「Gong」、素敵でした。MVと同じ冒頭の入り方も、歌詞や原曲の広がりとダンサーのお二人の伸びやかさが重なり、またある種の年代だけが抱ける青春のようなきらめきと相まって、胸を打つ映像でした。カメラワークの近づき方やくるくるとまわる動き、手の伸び方、お二人の動きに魅了され、何度も繰り返し拝見しました。いろんな場所や空間での映像も観てみたいです。ぜひ今後とも、映像とダンスの表現を実験探究して頂けたらなと思いました。
◆総評
人間の身体の魅力とダンサーの方々の関係性、手や背中、足の動きといった細やかな表現と全面に伝わる熱量に圧倒された作品群でした。
身体表現とメディアの関わりについて、社交ダンスはふたりの関係性や移動、身体の線の魅せ方やシーンが様々に変わるのが印象的で、特に、舞台としての前後や空間の使い方、視点の切り替わりなど、映像として探究できる領域の可能性を感じます。
また、ストーリーについてもダンスシーンへの入り方、ふたりの関係性など映像表現自体が得意なことと組み合わせることへの魅力も感じました。
新たな表現の可能性の広がりに感嘆としています。ありがとうございます。
〜 選考概要 〜
第1回「Dance Art Online」の選考が終了し、全ての結果が揃いました。
応募作品はどれも渾身の力作揃いで、皆さまの作品に掛ける思いが伝わってきました。
その拮抗した作品群からの選考は難航し、発表まで時間がかかってしまったことをお詫び申し上げます。
結果としては、選考基準となる「構成・演出」・「オリジナリティ」・「ストーリー性」・「表現力」のほぼ全ての項目でトップクラスの評価を得た「Battle of the Queens」と「ドライフラワー」、そして「黒執事」が接戦を制し、記念すべき第1回グランプリの栄冠を手にしました。
特にプロ部門のグランプリ2作品は、選考委員の評価も全くの五分五分で甲乙つけがたく、特例として同時受賞とさせて頂きました。
上記に記しました講評からも、各作品に対する選考委員による評価が分かれたことが見て取れます。
最終的な評価として作品の総合力が問われた結果となったのは興味深く、社交ダンス界から一般に向けてアプローチを行う際の道標が示されたと言えるのではないでしょうか。
そして改めまして、初開催となる当企画にご応募頂いた皆さまには、本当に感謝をしております。
皆様の作品が、これからのダンス界における動画作品のレベルアップに繋がるきっかけになっていくと信じております。
そして選考委員をはじめとする関係者の皆様も、本当にありがとうございました。
また次回の開催に向けて邁進して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。
Audrey 小鳥翔太
Dance Art Online - Presentation Movie
" Suguru Kachi & Emi Machida"
概要
社交ダンス界初となる、本格的な映像作品のコンテスト。
2020年4月に発令された緊急事態宣言以降、自粛による活動制限を受けていたダンサーたち。彼らはダンス競技会・発表会・イベント等に代わる活動および表現方法の一つとして、多くの動画作品を創り上げてきた。
これまでの社交ダンス界には、プロモーションムービーやプライベートビデオなどの動画を1つの作品として製作する習慣はほとんど見られなかった。しかし、幸か不幸かコロナ禍によりデジタル化への道が大きく切り拓かれ、YouTubeやInstagram、TikTokなどのSNSをメインとして多くの作品がWeb上に公開された1年となった。
当コンテストは、社交ダンス界で急速に産み出された多くの映像作品の中からWeb&デジタル分野への礎となる優秀作品を表彰することで、将来のダンス界を担う気鋭のダンサーとクリエイターを発掘&サポートするものである。
募集要項
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社交ダンスをテーマとした映像作品。
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芝居やセリフが入っている作品可。※作品の総時間の50%以上で社交ダンスを踊っていること。
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2020/4/1〜2021/4/30に収録・制作した作品であること。
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作品の構成人数に制限は設けない。(複数名のグループ応募可)
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1名につき1作品のみの応募とする。
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1作品の時間は5分以内とする。
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既出の作品可。
募集カテゴリ
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プロフェッショナル部門
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アマチュア部門
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プロアマデモンストレーション部門
※上記各部門、ラテン・スタンダードのセクション分けはありません。
評価基準
芸術性/表現力/構成などを含めた作品としての総合評価
表彰・賞品
<プロ部門>
グランプリ…賞金/準グランプリ…賞品/特別賞…賞品
<アマチュア部門>
グランプリ/準グランプリ/特別賞…賞品
<プロアマ部門>
グランプリ/準グランプリ/特別賞…賞品
選考委員
映画プロデューサー・フォトグラファー・芸術家など、国内外の第一線でクリエイティブに活動するアーティストの皆さまに、各分野の鋭い視点で応募作品を選考して頂きます。
スケジュール
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4月1日(木)…受付開始
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5月7日(金)…申し込み締め切り
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5月8日(土)〜選考期間
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5月16日(日)…結果発表→5月21日(金)に延期
応募方法
応募は締め切りました。
参加費
無料
上映会&表彰式
<上映会&表彰式中止のお知らせとお詫び>
5月16日(日)にHUMAXシネマ池袋にて開催を予定しておりました上映会&表彰式は、新型コロナウイルスの感染拡大および、緊急事態宣言における映画館自粛要請などの状況を鑑み、誠に勝手ながら開催を中止させていただくこととなりました。
ご参加をご検討いただいていた皆様にはご迷惑をおかけすることとなり、大変申し訳ございません。チケットをご購入頂いております皆さまには個別にご連絡の上、全額返金させて頂きます。
以上、何卒ご理解を頂けましたら幸いです。
今後ともAudreyがお送りするイベント企画を、なにとぞよろしくお願い致します。
2021年4月29日
株式会社Audrey
※コンテストの選考は予定通り開催されます。
主催
株式会社Audrey
協力
株式会社MOTION GALLERY・池袋HUMAXシネマズ
後援
ダンスビュウ・おどりびより